『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

第1部(1〜7巻)感想-1巻感想

1巻4話リチャードとヨーク公の繋がりについて

4話では、原案『ヘンリー6世』のヨーク公の台詞を下敷きにしつつ、ヨーク公の凱旋と、再びの戦闘での敗北とが描かれます。『薔薇』では、リチャードがヨーク公と一緒に戦うことはない代わりに、2人の繋がりが夢や精神的呼応の形で出てきます。

1巻3話ヘンリーの祈りについて

リチャードとヘンリーの再会の場は、『ヘンリー6世』からの台詞の配置がすごいことになっています。マーガレットの小箱と王子エドワードについても少し。

1巻2話リチャードとヘンリーの出会いについて

王位にいるヘンリーが羊飼いに憧れ、リチャードは王位が幸せをもたらしてくれると信じている。菅野先生はヘンリーとリチャードがHⅥで対照的に書かれていると思ったのでそう描きたかったというようなことをおっしゃっていましたが、HⅥの全く別箇所の2人の台詞…

1巻1話(2)馬と王冠について:まだ1話なのに?

ミス・リーディングなタイトルですみません。でも本当に馬のことなので……。

1巻1話(1) 荊棘の森と光について:初回から神展開です、と言いたい

何がすごいって、『ヘンリー6世』のほぼ“最後箇所の”台詞が使われていることです。この言葉がはじめに置かれることでリチャードを縛り続ける呪いや予言のように働いてきます。