『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

第2部・11巻〜感想-12巻感想

12巻55話夢の結末について

『夏の夜の夢』と『タイタス』をきれいに決着させ、史料的にもリアリティのある結末。神業を堪能する、狩りのエピソードの終了でした。

12巻54話ヘンリーの夢について

54話は12巻のクライマックスと言えるかもしれません。今話でも、『夏の夜の夢』の重ね方が凄い!と思います。幸福な結末もある一方、ダークな解釈も使われている気がします。

12巻53話狂乱の森での愛と陰謀について

『夏の夜の夢』と『タイタス』との重ね方が凄いです。リチャードは、アンとの関係ではオーベロン、ヘンリーとの関係ではタイテーニア、という感じでしょうか。

12巻52話取り替え子をめぐる諍いについて

冒頭のリチャードの夢は、『夏の夜の夢』悪夢バージョンのような感じで、これに続く話のプロローグのようです。「取り替え子」のモチーフが、リチャード→リチャードの息子のエドワード→エドワード4世→バッキンガム、と展開されている気がします。

12巻51話狩りの計画について

ヘイスティングスの処刑後、12巻では王子たち(新王と王弟)との対決になっていきます。彼らについては、これまで、残念な子だの、タモーラのダメ息子たちのようだのと書いてきましたが、いやいや、リチャードとバッキンガムが警戒するような十分(悪)賢い…