『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

第2部・8〜10巻感想-9巻感想

9巻40話リチャードの嘘と真実について

40話41話はスコットランド戦の話になっています。ここの凄さは、原案にほとんど出てこないスコットランド戦を描き、そこに『リチャード2世』『ヘンリー4世』『ヘンリー5世』オマージュを入れ(多分)、“王とは何か”という話につなげていることでしょう。その…

9巻39話王家に捧げるものについて

今回の記事、すごく地味になってしまいました。『リチャード3世』からのジョージの子どもの台詞が健気で、リチャードの息子のエドワードと重なります。そして原典の引用箇所では2回もリチャードが嘘泣きをしています。

9巻38話ジョージ暗殺について

38話は台詞の1つ1つや設定が『ヘンリー6世』、『リチャード3世』、史料と複雑に絡まっていて非常に濃密な展開になっていると思います。ワインでの暗殺場面も、漫画化ならではの素晴らしい表現になっています。

9巻37話「誰とも似ていない」リチャードについて

「同じ」と「違う」は『薔薇王』でしばしば出てくる表現ですが、37話ではこれが強調されます。ここから「俺は誰とも似ていない」という台詞につながり、この台詞が元の『ヘンリー6世』でのジョージ暗殺の文脈通りに使われています。

9巻36話 ジョージ「主役」の芝居について

リチャードの目的はもはや呪いの犯人の究明ではなくジョージの逮捕になっているので、ジョージが呪いに加担するように仕向け一芝居打つことになります。36話でも、ジョージの逮捕まで『リチャード3世』と『ヘンリー6世』第2部が巧みにミックスされて話が進…