ロミオとの出会いで一気に大人になるようなジュリエット、端正でありつつ情熱的なロミオ。バルコニーPDDの躍動感と一体感も素晴らしく、キスの前に止まって見つめ合う緩急もドラマティックでした。
古典的ながら、終幕や第3幕の求婚場面に他版と違う特徴がありました。
終盤、リチャードが女声的なハイトーンで告白のように素直な心情を歌う場面がミュージカルならではの醍醐味です。
幸四郎ライと松也ライ、他キャストや新感線版との印象の違いを主に書きました。
シンプルな装置、台詞と見立て的な動きによる舞台。現代化演出ではないけれど、現代的でリアルに思えます。
シンデレラと王子が恋に落ちた感がある金子扶生&ウィリアム・ブレイスウェルが素敵。
ミニマルに削ぎ落とされた装置、演出、衣装。テナント、ジャンボはもちろんキャスト全員魅力的。子供とマルカムにも注目です。
『リチャード3世』×酒呑童子。華やかなのに滅亡的な世界観。『天保十二年のシェイクスピア』との共通性と対照性も面白かったです。
円形アリーナに60羽の白鳥が登場する場面が、まさに湖に白鳥の群れが舞い降りてくるようでとても見応えがありました。
浦井健治さんが、高橋一生さんとは異なる眺望を見せてくれ、作品の豊かさを認識できました。
モノクロの映像が美しく静謐で、夢や幻想との境界が曖昧な世界観の『マクベス』でした。
元の映画のロマンティックで切ないテイストはそのまま、エドワードとキムのデュエットが物語を紡ぐダンスならではの感慨がありました。
オスカー・ワイルドを主人公とする新作バレエ作品。『ドリアン・グレイの肖像』が大きく引用されています。
『リチャード3世』としても面白いです。高橋一生さんと浦井健治さんの陰と陽の対照性もよかったです。
バレエならではの美しさがありつつ、とても演劇的で繊細な作品でした。アリーナ・コジョカルが儚げなローラそのもの。
クリストファー・ウィールドン振付、2024年11月公演、20~22日配信。 紹介動画です。 www.youtube.com とても素敵な作品で、シェイクスピアの原作版より共感的で見やすいと旧twitterでお勧めしたものの、え、こんなにDV的怖さが出ていたっけ……アラートしなく…
シェイクスピアの引用がいっぱいです。原作漫画、四季版それぞれの魅力があります。
サックスとドラムの生演奏、黒を基調にした現代的な衣装のクールな演出に、河内さんの台詞語りの魅力!
ナショナル・シアター版とブロードウェイ版の感想です。 ナショナル・シアター版の原作から改変箇所がとても好みでした。“Present laughter”は『十二夜』の言葉からだそうですが、今回も全然気づきませんでした。
ジョン・ギールグッドが演出した、リチャード・バートン主演『ハムレット』上演までのバックステージもの。タイトルをはじめ、『ハムレット』からの引用は演劇についての台詞になっていて、一方、上演や稽古をめぐる諸々の方は意外に『ハムレット』みがある……
『眠り』+『侍女の物語』(+『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』)のようで、ディストピア感満載ですが最後は感動的。
Q1上演だけでなく人物像、ジェンダー、時代設定も混成的で挑戦的。どう評価するか、それが問題だ、みたいな……。
多分7月2日am1:30まで無料配信中。ノイマイヤー『椿姫』、シュレプファー『眠りの森の美女』が特にお勧めです。
柿澤さんの台詞と物語と感情の織り合わせ方が素晴らしく、正統派でありつつ瑞々しさが感じられます。
アンドリュー・スコットのナレーションによる、『ふたりの女王』的なファンタジー歴史フィクションのAudio Erotica。
人種、宗教、性別等のアイデンティティーをめぐるヒリヒリするような課題が、テーマとともに演劇の実験のように示される作品でした。
“Sea Wall”のサイモン・スティーヴンス翻案による、8役一人芝居。複数役の切り替えはもちろんのこと、感情の重なり、場の空気感の表現が素晴らしいです。
ドニゼッティのテューダー朝3部作(『アンナ・ボレーナ』『マリア・ストゥアルダ』『ロベルト・デヴリュー』)と『ケニルワース城のエリザベッタ』の4作をエリザベス1世の年代記に再構成した作品。
得がたい作品と思う一方、つらくなってしまうほどで、その辺を気持ちの整理を兼ねて書きました。
家族関係に焦点があたりフロイト的読みを更に反転させたようなITA版、神話的な崇高さと美しさのある石丸版、の感じがしました。