『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

7巻29話 塔を訪れるリチャードについて

原案『ヘンリー6世』と全く違うとも言えますし、最終的には原案通りとも言えると思います。そして、やはりロミジュリっぽいですよね。

16巻74話 2つの薔薇について

過去の伏線の回収とオリジナル要素が、リッチモンドの政略と対比的に描かれる素晴らしさ。細かい要素にも泣き所がいっぱいです。

16巻73話 アンの荊棘について

アンの話を『リチャード3世』4幕1場との関連で考えてみました。リッチモンドや小夜啼鳥についても書いています。

16巻72話 冬の気配について

気持ちを揺さぶる展開なのにやはり構成もすごい。『リチャード2世』推測してみました。王の森の場面と、73話以降のリチャードvs.リッチモンドの話と繋がっている……かもしれません。

16巻71話 バッキンガムの望みについて

バッキンガムの選択を、彼が生きることを選んだものとして描かれているのが印象的です。

16巻70話 熱を奪う雨について

『リチャード3世』での「熱い気性が凍ったか」が、雨による敗走エピソードと掛けられて、リチャードが求めた“バッキンガムの熱”を失う話になっている気がします。

アルメイダ劇場『マクベス』感想

マクベスとマクベス夫人が親密である一方、戦闘状況がリアルで怖さと不毛感を感じる舞台でした。

『薔薇王』・シェイクスピア関連作品配信サイトリンク

シェイクスピア作品等の配信リンクをまとめました。

石原さとみ&藤原竜也主演、吉田鋼太郎演出『終わりよければすべてよし』感想

初鑑賞作品でしたが、読んだ印象とはかなり違って、“こんなに面白くて現代的な話だったのか”と思いました。

ナショナル・シアター(at Home)、オコナー&バックリー『ロミオとジュリエット』感想

ややダークテイストで映像も美しく、最初のキスシーンも印象的で、気持ちが揺さぶられました。演出・監督、俳優、美術、それぞれが嵌って相乗効果をもたらしている気がします。

ナショナル・シアター(at Home)『ハムレット』感想

ハムレットはカンバーバッチ、オフィーリアがSHERLOCKのユーラス役シャーン・ブルック。尼寺の場が、もしかしたら『薔薇王』4巻っぽいかも、と詳しめに書きました。ただ、他の箇所も含めて、受け取り方にはあまり自信がありません。

ストラトフォード・フェスティバル『夏の夜の夢』感想

役も台詞もほぼそのままなのに、ナショナル・シアター版同様、オーベロンの勝利にならない展開です。

ナショナル・シアター『間違いの喜劇』感想

双子2組の似せ方がちょうどいい塩梅! 基本的にはとにかく楽しく観られるドタバタコメディで、最後にしみじみでした。

ナショナル・シアター『ジュリアス・シーザー』感想

ニコラス・ハイトナー演出、ベン・ウィショー主演。観客をローマ市民に見立てる演出はもちろんのこと、配役自体が演出・解釈になっているような面白さでした。

モナコ公国モンテカルロ・バレエ、マイヨー 振付『Le Songe』、『La Belle』感想

先日放送された『じゃじゃ馬』の振付家、ジャン・クリストフ・マイヨー版の『夏の夜の夢』、『眠りの森の美女』感想です。ローズ・アダージョ関連でマシュー・ボーンの『眠り』も少し。

モナコ公国モンテカルロ・バレエ、マイヨー振付『じゃじゃ馬ならし』感想

振付、衣装、装置、音楽、皆よかったんですが、やっぱり『じゃじゃ馬』に難しさを感じてしまうところも。

6月20日再放送! パリ・オペラ座『夏の夜の夢』感想・紹介

2幕のディベルティスマンも含め豪華な配役、ふわっと上品で明るいオベロンとタイターニアが特徴の気がします。バレエ学校生徒の妖精達も可愛いです。

ケネス・ブラナー監督・主演、『シェイクスピアの庭』感想

今更感はありますが……。多分シェイクスピア作品を知らなくともしみじみと味わい深く、同時にマニアックにも楽しめる映画だと思いました。

ドンマーウェアハウス『シェイクスピア・トリロジー』紹介・感想:『サンドラの小さな家』公開記念

過去記事を改訂して分割しました。『サンドラの小さな家』の感想も少し。

ポーランド国立バレエ『ロミオとジュリエット』感想

1930、50、90年代設定の現代的な振付で、主役の2人も素晴らしく、感情移入できる作品でした。

RSC、グレゴリー・ドーラン演出『ジュリアス・シーザー』感想

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの2012年の映像作品です。植民地独立後のアフリカの設定になっています。

15巻69話 森で待つバッキンガムについて

様々なオマージュやこれまでの話が重層的に紡がれ、リチャードの変化や決断の物語になっていくことが感動的です。

15巻68話 リチャードの迷いと選択について

『ハムレット』『ヘンリー4世』などが組み合わせて使われ、作品のモチーフとリチャードの変化が重なるのも感動的です。

15巻67話 ヘンリーと“贄”について

王子達を巡る話の作りがまたもや神業的です。ティレルの言動はまだ謎かけ的ですね。

15巻66話 リチャードの帰還について

心削られる展開かと覚悟していましたが、15巻は、こう来るか!のわくわく感や、物語が動いていく興奮があって一気に読みました。

野田秀樹潤色、シルヴィウ・プルカレーテ演出、『真夏の夜の夢』感想

『ファウスト』や『不思議の国のアリス』が重ねられた、ややダークで悪夢感のある作品でした。

7巻28話 王子エドワードの願いについて

ランカスターの王子エドワードの退場回。『ヘンリー6世』準拠ながら、エドワードのリチャードへの恋の終わりと絡めて美しく翻案されています。無理筋かもしれませんが、『二人の貴公子』オマージュも考えました。

リチャード・エア監督、アンソニー・ホプキンス主演『リア王』感想

WOWOW放送の、Amazon・BBCの共同製作。豪華キャストで、キャラクター設定と演者達の個性が生きていて惹きつけられる作品でした。

ITA、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出、『ローマ悲劇』(Roman Tragedies)感想

『コリオレイナス』『ジュリアス・シーザー』『アントニーとクレオパトラ』の3本を繋いだ『ローマ悲劇』の感想です。

ナショナル・シアター (at Home)他『オセロー』2本感想

ナショナル・シアター (at Home)とストラトフォード・フェスティバルの『オセロー』の感想です。近い時期に同じ作品を観るとそれぞれの特徴が明瞭になりますね。