2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「勝負の相手は“神”、賭けるものは“魂”」と言って馬上で運命に挑むリチャード。原案『リチャード3世』を反転させたかのような展開が胸熱です。
11巻47話についてです。タイトルは苺についてでもよかったかもしれません。リチャードに忠誠を誓ったケイツビーが、ハムレットのホレーシオに似ている、と勝手なことを書きました。
46話のリチャードとバッキンガムの謀議の場面で、原案『リチャード3世』と台詞が逆転していることについて、邪な(?)目線から考えます。
4話では、原案『ヘンリー6世』のヨーク公の台詞を下敷きにしつつ、ヨーク公の凱旋と、再びの戦闘での敗北とが描かれます。『薔薇』では、リチャードがヨーク公と一緒に戦うことはない代わりに、2人の繋がりが夢や精神的呼応の形で出てきます。
リチャードとヘンリーの再会の場は、『ヘンリー6世』からの台詞の配置がすごいことになっています。マーガレットの小箱と王子エドワードについても少し。
王位にいるヘンリーが羊飼いに憧れ、リチャードは王位が幸せをもたらしてくれると信じている。菅野先生はヘンリーとリチャードがHⅥで対照的に書かれていると思ったのでそう描きたかったというようなことをおっしゃっていましたが、HⅥの全く別箇所の2人の台詞…
ミス・リーディングなタイトルですみません。でも本当に馬のことなので……。
何がすごいって、『ヘンリー6世』のほぼ“最後箇所の”台詞が使われていることです。この言葉がはじめに置かれることでリチャードを縛り続ける呪いや予言のように働いてきます。
(2022.2月改稿) 菅野文先生の『薔薇王の葬列』にはまり、原案『ヘンリー6世』『リチャード3世』の換骨奪胎の素晴らしさと、それ以外のシェイクスピア作品オマージュについて妄想・牽強付会込みで語るために立ち上げました。作品も完結し、このブログも全話…