『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

10巻42話 王位継承の攻防について

王として凋落が見えたエドワードがこの回で亡くなります。エドワードが死出の旅に出るシーンは風景も含めて何とも美しく描かれています。一方、王位の継承をめぐる対立や思惑は、原案以上に相克的かつ錯綜的に展開しています。

10巻41話闘う王としてのリチャードについて:『ヘンリー5世』

41話では、ヘンリー5世の闇と苦悩の部分をエドワードに、光と責任の部分をリチャードに充てて描いているように思えます。戦いを担う責任がリチャードの光になっており、それは既にリチャードの中にあるとも言えそうです。

5巻17話 祝!読者投票1位全話公開記念 リチャードを着飾らせる王子エドワードについて

読者投票1位の17話が宣伝アカウント(twitter)@baraou_infoで全話公開になったので、お祭りに乗れればと書きました。シェイクスピア・オマージュについて、一寸強引ながら考えてみました。

9巻40話リチャードの嘘と真実について

40話41話はスコットランド戦の話になっています。ここの凄さは、原案にほとんど出てこないスコットランド戦を描き、そこに『リチャード2世』『ヘンリー4世』『ヘンリー5世』オマージュを入れ(多分)、“王とは何か”という話につなげていることでしょう。その…

9巻39話王家に捧げるものについて

今回の記事、すごく地味になってしまいました。『リチャード3世』からのジョージの子どもの台詞が健気で、リチャードの息子のエドワードと重なります。そして原典の引用箇所では2回もリチャードが嘘泣きをしています。

9巻38話ジョージ暗殺について

38話は台詞の1つ1つや設定が『ヘンリー6世』、『リチャード3世』、史料と複雑に絡まっていて非常に濃密な展開になっていると思います。ワインでの暗殺場面も、漫画化ならではの素晴らしい表現になっています。