『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

第2部・8〜10巻感想-8巻感想

8巻35話暗殺の道程と暗殺者たちについて

(薔薇王の葬列アニメ13話対応) ジョージの逮捕と暗殺をめぐる話は9巻半ばまで続いていきますが、35話は、この件へのリチャードの関わりを、『リチャード3世』(以下、RⅢ)と史実(史料)との間に見事に落とし込んでいるように思います。『ヘンリー6世』(…

8巻34話呪いと代償について

『ヘンリー6世』にこれとよく似た箇所があり、てっきりこれが使われたのだと思っていましたが、ジョージの逮捕の経緯については史実にも近かったらしく、絶妙なミックスが施されているようです。

8巻33話 楽園の喪失について

1巻1話に出てきた「あの環の中には楽園がある」という台詞と関連づけられ、シェイクスピア作品というよりミルトン『失楽園』や、絵画の楽園追放を彷彿とさせる描写になっているような気がします。

8巻32話夏の祝宴について

第2部の実質的な幕開けということでしょうか、『リチャード3世』冒頭の独白数行の内容が、第2部の登場人物を揃える形で描かれています。

8巻31話アンへの求婚について

31話は、アンとの結婚について、史実解釈、『リチャード3世』の有名場面、第1部のリチャードとヘンリーの関係、全てが矛盾なく話の中に入っています。しかも元の台詞を異なる意味にして、リチャードの真実と嘘を語るものになっているという素晴らしい作りで…