『薔薇王』にシェイクスピアをさがして

菅野文先生の『薔薇王の葬列』についてシェイクスピア原案との関係を中心にひたすら語ります

王妃と薔薇の騎士2巻、白いの外伝Ⅲ・Ⅳ: 少しの感想とレシピリンク

少々の感想

Ep:8の感想記事で、河原和音先生の『から騒ぎ』黒羽くんが一寸ヘンリーっぽい気がしたと書いたんですが、そうだ、ヘンリー/ティレルは料理ができないんでした(黒羽くんはお菓子作り得意)。記事を書いている時はすっかり忘れていました。

 

バッキンガム、なんだかんだ面倒見がよくて献身的ですよね。この中では一番年下で俺様的でもあるのに。ティレル/ヘンリーは、年上でも世話を焼かれちゃうタイプですね。バッキンガムが強引な一方で献身的なところを貫いたのが『薔薇王』本編の展開なのだろうと思いました。

 

でも、本編との関係以上に、ヘンリーが「罪を犯さなければ、愛せないなんて…」「誰かを愛したら、誰かを傷つける」「それが恐ろしくてたまらない」と肉欲に苦悩する『騎士』の後に、ティレルが「食べる肉と愛する肉の違いが…、僕にはわからないんだ……」と言う話が載っているのが、何ともヤバい感じで……好きです。

 

と書いてからのレシピ・リンクでいいのか、かもしれませんが。

 

Unsplash micheile henderson

 

ローズプディング

バッキンガムが作っていたローズプディング。“Medieval Rose Pudding”で検索するとレシピが出てくると菅野先生がツイートされていました。1つめの方がフォトジェニックですが、2つめのサイトの方がグラム数で記載されているのでわかりやすい気はします。

 

food-porn.livejournal.com

 

britishfoodhistory.com

 

上がバッキンガムが作ったタイプのものだと思いますが、グレーテルのかまどでは、米粉でなくお米で作れるローズプディングが紹介されています。

 

www.nhk.or.jp

 

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リチャード3世のメニュー

『薔薇王』そのものではないのですが、『À Table!(ア・ターブル)〜歴史のレシピを作ってたべる〜』というドラマで、リチャード3世の回がありました。そのドラマでも、当時猪や孔雀を食べていた話が出てきました。白いの外伝では白鳥を出しましょうかと提案されていて、美しい鳥が食肉としても好まれていたということなんでしょうか。

 

www.shochiku-tokyu.co.jp

 

ドラマで出てきたのは、アーモンドライス、アスパラガスのサラダ、レンズ豆とラム肉のスープ仕立ての3品。インスタにレシピが出ています。このアーモンドライスもシナモンを使います。「…うん、シナモンは大切だ」(byティレル)。アスパラガスは、当時、薬草としても効果があるとされた高級食材だったそうです。

 

www.instagram.com

www.instagram.com

 

こちらのメインはラム肉。羊の肉が多分当時もよく食べられていたからなのでしょうが、『ヘンリー6世』(第3部)に以下の台詞があり、リチャード3世のメニューで羊の肉か……と思ったりはします。

 

ヘンリー こうして不注意な羊飼いは狼のそばから去っていく、こうして罪のない羊はまずその毛を、次にその喉笛を、屠殺人のナイフの前にさらすことになる。(中略)おまえがここにきた目的はなんだ?私のいのちだろう? (小田島雄志訳・白水社版)

 

いや、「食べる肉と愛する肉」とか言うつもりはないんで大丈夫です! ラム肉、おいしそう、おいしそう! うちの近くのスーパーではそもそもラム肉手に入らないんですけどね。

 

レシピは本にもまとめられているそうです。